今回のテーマは、天然酵母を育てて顕微鏡で見るです。ブドウ酵母を増殖し、生きた酵母を顕微鏡で観察しました。さらに、酵母が動き回る様子も観察できました。
酵母は楕円状あるいは球状の単細胞の菌です。通常、酵母は出芽によって増殖し、そのエネルギー源は糖類からアルコールを発酵する時の副産物から得ています。酵母はパンの製造やお酒づくりに利用されています。
インターネットで調べると、(パン作り用の自家製)酵母をつくる方法として、レーズン(干しブドウ)を用いる方法がヒットします。ブドウの皮には天然酵母が付着していることが知られていますので可能性があります。一度目は、レーズンでチャレンジしましたが、数日でカビができ、アルコール発酵の兆候は見られませんでした。二度目は、生の種なしブドウ数粒をつぶしたものと砂糖水(一度沸かした水を冷ましてグラニュー糖と混ぜたもの)を一緒に瓶に入れて冷暗所に保存しました。数日経つと、ブドウの周りに小さな泡(発酵に伴う二酸化炭素の泡と思われる)が沢山付いていました。蓋を取ると、アルコールの臭いがプーンとしましたので成功を確信しました。
発酵が停止した後の酵母の顕微鏡写真です。動画撮影時の酵母(発酵が継続中)のものと比べると、楕円状の細胞の両端がややとがっている様に見えます。
酵母の動画 酵母が動き回る様子が見えます。今回の酵母の形状は楕円状でした。
後書き
今回の観察からは口径の大きい高分解能の顕微鏡が欲しいと思いました。酵母はミクロンサイズなので観察には約1,000倍に拡大する必要があります。子供用の顕微鏡では数百倍は何とかなるが千倍は分解能の点で厳しいと思います。中古品の生物顕微鏡を手に入れるのが良いかも。
顕微鏡システムの概要
今回、使用した顕微鏡システムの概要を追加します(2021/03/01)。光学システムの他、PCも必要です。私の場合はOS:Windows10のPCを使用しました。USBカメラメーカーから提供されるドライバーの適合性(Mac/WindowおよびOSバージョン他)を事前に確認しておくのが良いでしょう。カメラ用ドライバーを提供しないメーカーもあるようですのでご注意下さい。
①光学システムの全体
光学顕微鏡にCMOSカメラを装着した写真です。やや頭でっかちとなっています。上部のUSBケーブルはPCと接続するためのものです。
②光学顕微鏡 Vixen F-1200
・対物レンズx10、x40、x60
・接眼レンズx5、x10、x20 ←CMOSカメラと接続するので使用しません
注意:このモデルは既に廃番となっています
光学顕微鏡の最大倍率は1200倍です。今回は接眼レンズは使いません。鏡筒が1つしかないので、USBカメラは接眼レンズの穴に装着します。
③USBカメラ ホーザン L-835
・静止画:2592×1944(500万画素)
・動画:1280×960(120万画素)、 最大フレームレート30fps
・レンズマウント Cマウント
④接続アダプター(顕微鏡とUSBカメラ間)
・FLAMEER 0.5X 顕微鏡 Cマウントレンズ+23.2mmアダプタ、デジタルCCDカメラ アイピース
USBカメラと接続アダプターを組立ます。これを光学顕微鏡の鏡筒に差し込んで組立は完成です。