この度の船旅では、月の満ち欠けを観察するのをミッションの1つとしました。洋上では遮るものがなく、月の観察には最適な環境では?と考えたからです。

クルザーのジーゼルエンジンからのばい煙に晒される月の写真(左)です。昔懐かしい、炭坑節の世界です。月に不審な飛来物を発見(右)しました。宇宙船でしょうか?? 後で、雲の影であることが判明しました。

三日月をを観察していると、見えるはずない、影の部分がぼんやりと球状に見える(左)ことがあります。画像ソフトで、コントラストを強調させると、見慣れた月の模様が見えて来ます。地球からの照り返しで、通常では見えない筈の暗い部分が見えるらしい。「地球照」と言うとのことです。

右側の写真はラパ・ヌイ(イースター島)の寄港時見られた新月の直前の月です。

赤い/黄金色の月です。低角度(低い位置)で見られる月は赤や黄金色に見えます。写真は満月の月が、東の空に昇るところを撮りました。下部の濃い青い部分は海です。これは昇る/沈む太陽も同じです。水蒸気や雲でに散乱されにくい波長の長い赤い色が強く見えるからです。

2つの写真を比べています。2024/01/01 19時(左)と01/02 朝1時(右、何れも日本時刻)にタヒチ沖で撮影した写真です。この様に、月は、観察する時間が経過すると、(時計回りに)回転して見えます。これは、地球の自転の影響ですが、認識している情報は少ないです。私も、この現象は知りませんでした。通常は夜に月の観察をしていましたが、夜の雨や曇りの天気の関係で、やむなく、夜明け前後で観察する機会が何度かあり、月が回転しているのに気づきました。右の写真のバックがやや青いのは日が昇り始めているからです。

上弦の月と下弦の月と言う言葉がありますが、この様に観察する時刻で、上弦と下弦が変わるようでは、意味があるのかと疑問を感じました。

陸上における月の観察では、、一般には、山や建物などで視野が制限されます。例外的な場所は、高い山や砂漠です。一方、洋上では、地平線より上部の部分を遮るものが一切ありません。したがって、洋上は夜空の月にアクセスし易い、最適な観測点と言えると考えられます。2023年12月中旬から翌年3月中の船旅の間、ほぼ毎日、月の観察を続けました。月の1周期は29.5日ですから、世界一周の船旅の期間で、約3.5回転分の月を観察したことになります。月齢毎に分けて、月齢が同じ複数の写真から一番良く取れたものを抜き出しスライドにしました。

月齢は、新月の月齢0から始まり、満ちる途中の半月7、満月15、欠ける途中の半月22、次の新月30(或は0)としています。クルザーでの世界一周の旅の途中での月の観察ですので、厳密に言うと、ほぼ毎日、緯度と経度が変化しています。したがい、滞在先の日時も違います。ここでの月齢は、東京で月を観察した場合の月齢を表示しています

月齢1と2の写真はありません。新月近くの月の写真は非常に難しいと考えています。第一に、月からの光が非常に少なく、暗いです。私の船旅の間では、新月は、2024年1月11日、2月10日 と3月10日でした。これらの日の月の出る、関東地方での方位と時刻を計算サイトで計算した結果をみると、新月の前後の観察は絶望的になります。

全く予備知識なく、月の観察で気付いたこと:
1.月は東から出て、西に沈むが、月は時間経過とともに回転しながら移動する
2.月が満ちるのはカニ爪(古代神話ならウサギの耳の部分)から、欠けるのもカニ爪から始まる
3.地球から見える月の表面は固定されている(月の裏側は見えない!
注意:3項に関しては、t地球と月の間の万有引力の関係で、月の特定の面が地球を向くと言うことと説明されています。月の公転と自転に関しては、年1回転となっています。つまり、月は、特定のお顔を地球に向けながら、公転軌道に沿って、毎年、地球の周りを1周しています。

月齢別の月の写真のスライドです。左右の矢印(<または>)をクリックして頂くと、月齢が変化します。後半で、月齢と実際の写真が少しずれていると感じるところがありますが、ご容赦下さい。

その他の月の興味をそそるお話もリンクしておきます:
a.月の傾きの四季変化もある
b.月の大きさは実際に変化する 

当方の記事も載せておきます:

c.ほぼ皆既月食

ほぼ皆既月食

d.皆既月食と天王星の観察

皆既月食と天王星の観察

E:火星が衝