省エネのために、白熱電球や蛍光灯は発光ダイオード照明(LED照明)に替えよう

まとめ
◇省エネのため、既存の白熱電球や蛍光灯をエネルギー効率の高いLED照明に替えよう
◇現在は、LED照明は省エネ効果に加えてコスト面でもメリットが出ている
◇設置ベースでは、未だ半数はエネルギー効率の低い従来形照明と推定される

照明の省エネ化–我が家の例

 我が家の照明の省エネにつてお話致します。2008年春に住宅を購入しました。リビングや廊下の照明器具には白熱電球/シリカ電球が取り付けられていました。そこで、照明の省エネに取り組もうと、入居後直ぐに、長時間使うことになるリビングにはエネルギー効率の良い丸形蛍光灯に取り替えました。2011年3月11日には東日本大震災が起こり、原発停止に伴い関東地方は電力使用規制を受けることになりました。我が家はオール電化ユーザーなので、(全体に及ぼす影響は小さいものの)照明のもう一段の省エネ化を進めました。当時、発光ダイオード(LED)ランプの価格が高かったのですが、通販で適当なものを見つけることができ、取り替えました。ただ、ダイニングの照明だけは、当時のLED電球の演色性(料理が美味しく見えない)が十分でなかったので丸形蛍光灯のままとしました。

リビングの照明もLEDへ

発光ダイオード(LED)照明の状況

 私は、長期間、LED関連技術の動向をフォローして来ています。従来の照明からLEDに切り替わるタイミングは、発光効率で蛍光灯を凌ぎ、かつ、価格競争力が付く段階だと推測していました。LEDの発光効率は、2015年、ついに、昼白色、電球色共に150lm/Wを上回り、性能的にはHf直管蛍光灯(最も効率の良い照明としてオフィスなどに使われていた)を超えました 参考資料1)。普及の鍵は価格のみとなっていました。JLEDSの統計をグラフ化してトレンドを確認しました。その結果、新規の照明にはLED機器の採用が一気に進んでいる、しかし、交換用電球は、市場が縮小しながら、大半は従来形の電球のままで変化がないことが分かりました。このことは、やや大胆な予想ですが、従来の照明器具が現時点でも半数程度は残っている。交換電球の市場は、将来、LEDの寿命が長いので2013年より以前の数量の1/10近くまで減少する可能性があると予想されます(何れ無くなる)。

電球類の出荷数の年度推移
照明器具の出荷台数の推移

従来照明との比較 発光ダイオード(LED)照明の効果

 現在、従来形の白熱電球/シリカ電球や蛍光灯を使っているなら、LED製品が低価格になった現時点では、LED電球やLED機器に取り替えた方が省エネかつコストも安くなります。白熱電球/シリカ電球なら、口金の同じ(通常、E26あるいはE17)電球形LEDランプに交換するだけで済みます。 どれだけメリットがあるかを試算をしてみましょう。
白熱球の場合の例
・シリカ電球 消費電力:100W、寿命:2,000時間、価格:220円
・100W型電球形LEDランプ 消費電力:15W、寿命:40,000時間、価格:1,580円
⇒省エネ効果:15-100=-85W、価格差:+1,360円
 ⇒価格差を回収するためのランプの使用時間:1,360/(85×27/1000)=593時間   
   ※電力単価:27円/kWh
 ⇒毎日の照明の平均使用時間が、1時間40分を超えるなら、1年以内でコストの回収ができます
  (コスト回収時点での)省エネ効果は、85×593=50kWhとなります。使用時間がもっと長いなら省エネ効果は更に大きくなります。

E26口金LED、E17口金LEDと電球形蛍光灯

蛍光灯の場合の例
・32/42形丸形蛍光灯 消費電力:30W+38W=68W、寿命:20,000時間、価格:2,500円
・LED器具 消費電力:蛍光灯の約50%、寿命:40,000時間、価格:普及品は約8,000円程度から
⇒省エネ効果:-68×0.50=-34W、価格差:8,000-(蛍光灯ランプの買い替え回数:40,000/2,0000)x2,500=3,000円
 ⇒この価格差なら、長期間使えば、省エネ効果でコスト回収が可能なようですね。
 ⇒実際、毎日、10時間使った場合の1年間の試算をしてみますと、
  省エネ効果:34x10x365/1,000=124kWh/年で省エネによるコスト回収は3,350円/年となります。
  この使用条件下では、2年程度の使用でで新規LED器具(普及形)の代金を回収できます

ランプだけLEDに取り替え、蛍光灯照明器具を継続使用する場合
私の場合、和室の蛍光灯照明器具のデザインが気に入っていましたので既存器具を使い続けることにしました。そのため、追加形の丸形LEDランプを購入し、従来の蛍光ランプと交換しました。問題は、丸形LEDランプの種類が少なくやや価格が高いことです。また、安定器やグローランプの取り外しなどを伴う作業があることです。
注:感電にはご注意下さい。ランプの交換作業はメーカーの作業手順にしたがって安全な作業をして下さい。
  また、作業内容によっては、電気工事士免許が必要な場合も御座います。

LEDランプに交換した既存照明

 LED照明の演色性に満足されない方もいらっしゃると思います。CEATECなどの展示会で某大手メーカーが以前盛んに説明していたことを記憶しています。次のwebにも同様な指摘が見つけましたので参考資料2)として記載いたします。

参考資料
1.LED照明推進協議会(JLEDS)
http://www.led.or.jp/jleds/jledsnews.htm
2.https://www.jyutakureform-navi.jp/article/13769781.html