日本のDXについて

昨年度の「マイナンバーカードを巡るDXについて　１）」に続く、日本のDX（digital　transformation）についての記事です。今回は、2022年度のe-Tax申請と新型コロナワクチン接種の予約についての実践報告です。

所得税の確定申告（e-Tax)

今年度のe-Tax（電子申請）のトピックは次の２点にあると考えています：
a）確定申告には、従来の「e-Taxソフト（WEB版）」に加えて、「e-Taxソフト(SP版)　2）」も使えるようになった。後者のソフトは、スマートフォン利用者向けに操作性を改善したWEBアプリケーションとなっています。
b）配当等にかかる「住民税」の申告方法の変更 3）
「所得税」と「住民税」で異なる課税方式を選択する場合　注１）、従来は、「所得税」の確定申告書と「住民税」の申告書の両方の提出が必要だったが、2021年度の税制改正により、2022年1月1日以降に申告する場合、所得税の確定申告手続きで一度に完結できるようになった。具体的には、所得税の確定申告時、「住民税」は『申告不要制度』を選択して申告することで完了します。ただし、この処置は時限処置で、「2024年度分以降分から、住民税は所得税と同じ申告方法しか認められなくなる」とのことです。

注１）異なる課税方法を選択する理由は、納税額や社会保険料を抑えるためです。所得が多くない人は、所得税は総合課税、住民税は分離課税を選ぶ方が有利となっています。

今回の確定申告では、所得が少なくなった私は、配当所得を総合課税とし、「住民税」は『申告不要制度』を選択しました。この結果、日本株の「配当控除」や米国での課税に対する「外国税額控除」の効果で配当に対する国内の所得税はほとんどなくなりました。先に述べた様にこのようなメリットはあと2年で消滅するので有効に活用したいものです。

e-Taxで１月・２月に提出した場合、２～３週間程度で処理しています　4）と国税庁のWEBに示されているが、私の場合、1月2０日に提出するも、今回は、還付金の払い戻し（2月28日）までに5週間もかかってしまった。いかなる事情があるにせよ、この様な正しくない情報は訂正すべきと思う。

e-Tax申請すると「還付金の処理状況に関するお知らせ」なるメールが４回も届きます。内容の確認のために、その度、電子申請システムにアクセスして内容を確かめる必要があるが、内容を見てもしっくりしない。正確な進捗状況が読めません。送信メールに「申請受付完了」「申請内容審査開始」「振込口座確認開始」「振込手続き中」などの記載があれば、内容が明確になるし、わざわざWEBにアクセスして見に行く必要もなくなる。税務署から振り込み通知書が送られて来たが、DX（digital　transformation）と言うなら、本当に必要かと疑問に思う。

新型コロナワクチンの接種予約

本日、新型コロナワクチンの3回目の接収をしてきました。前回の接種から8カ月経過より12日早い前倒し接種となりました。今回は、モデルナ製ワクチンの選択肢しかなかった。接種自体は、早く、注射針が刺さったのも気付かず、済んでしまった。さてどんな副反応が出てくるか楽しみです！

政府の前倒し接種とは、①8ヶ月経過後から接種とすると、一旦アナウンスする　→後日、7カ月経過後に早めても良い、更には6ヶ月経過後でも良いと次々と前倒し変更して、あるいは②接種の優先順位は、医療関係者、介護施設入所・関係者、高齢者、基礎疾患のある人、年齢順などと言いながら、各階層の接種が未だ済まない段階で次の階層の接種を認める、ことなどを言うことなのか？？　まったく子供だましだ！

政府の本来の役目は、ワクチンの必要数量を早めに確保し、滞りない配送をしながら、接種回数を高レベルに維持し、出来るだけ早く接種希望者全員にワクチンを接種することではないか？　諸外国が、2回目の接種後、3-4ヶ月経過から3回目を打ち始めたのとはえらい違いだ！

自治体の接種予約について、私は、電話よりネットの方が手間が掛からないので、ネットで予約を試みた。その結果、ネットは繋がるも「アカウントが有効でない」と表示され先に進めない。昼過ぎにネットやっと繋がっても、予約できるのは限定された不便な少数病院のみで、かつ直近の予約可能情報しか示されていない。一方、電話では、多数の病院かつ先々の接種予約が取れる様になっていた。→まったくDXを理解していないのか？、自治体レベルでは国の方針のDXに現場レベルで抵抗しているのか？、どちらだろうか？