マイナカードの普及を妨げるもの

個人的には、マイナンバー・カードは単なる国民のIDカードで、推進すべきと考えています。末端の地方行政組織や医療現場など、マイナンバー・カードは面倒なので採用したくない、採用されるとトランスフォーメーションの対象となる組織や人の協力が鍵と考えています。

マイナンバー・カードを巡っては種々のトラブルが発生しています。マイナンバー・カードの推進派、否定派で解釈がまったく異なります。ここでは、利用者としての見解を述べたいと考えています。

マイナンバー・カードのトラブル

マイナンバー・カードを巡ってトラブル 参考1)が十数万件発生しているとのことですが、多くは末端の処理時に発生しています。アナログの世界で一生生活し続けたい人を除き、システムソフトの問題として叩くのは止めた方が良いのではと考えています。なぜなら、日本人全体のデータを入力するのですから多少の入力間違いは発生するのは当然と思います。一方、システムソフト側には自動チェック機能を追加して欲しい。この機能があれば、トラブルの#1、2および4項の多くは改善されると推定されます。また、マイナンバー・カードにも自分のカードに紐付けされた内容を自分で確認し、承認する仕組みが欲しいと思います。この作業で、自分のデータは自分で責任をもって確認することにする。例えば、マイナンバー・カード発行時に所有者に確認させるプロセスを設けたのちにカードを渡すなど。

トラブル内容直接推定原因責任元
マイナ保険証に別人の情報登録入力時の登録ミス登録者
公金受取口座に別人の口座登録登録者の判断利用者
住民票写しなどで別人の証明書交付システムソフトのミスシステム提供者
マイナポイントを別人に付与入力時の登録ミス登録者
マイナンバー・カードのトラブル概要

確定申告(税務署)

私は、2006年から確定申告を毎年行っています。全て、PCを使ってデータを入力していました。税務署は以前(2017年2月からとの情報あり)からからマイナンバーを推進していましたが、私がマイナンバーを使いだしたのは2020年度の確定申告(2021年2月)からです。それまでは、税務署署員の働きを年に一度は見たいので、毎年、申告書類を税務署に持参(ポスティングも含む)していました。

最近では、マイナンバー・カードでの確定申告にはエビデンスの添付が大幅に省略されるようになり、使い勝手が良くなりました。私の例では、添付する唯一の書類は外国株式の現地で支払らった税金のエビデンスだけです。これも証券会社からもらった取引一覧表のpdfファイルを確定申告データに添付だけです。税務署側での申告書の受け取り、審査進捗状況、払い戻し税の額と支払日などもメールで知らせてくれます。ただし、役所からのメールは内容のタイトルなしでメールをアップした通知が送られてくるのみです。メールの内容を確認するにはマイナンバー・カードでログインして役所のメールシステムから該当メールを開くしかない。これは大変面倒で、改善を求めます。

地方税の納付

地方税の納付の通知(請求書)が来ましたので、早速、マイナンバー・カードでweb処理を試しました。マイナンバー・カードを使えば、個人情報(氏名、生年月日、住所)の入力が不要となっていますが、カード認証時は不要でも、先に進むには、改めて個人情報の入力を求められます。さらに問題なのは、インターネット銀行から地方税を納付すると振り込み手数料がかかります。一方、コンビニ、銀行などから地方税を納付する手数料は無料です。これはどうなってるのと言いたい。これじゃ、マイナンバー・カードを使ったインターネットでの支払いは、暗に、止めてと言っているのか? また、一括支払いがあれば税金で支払う手数料も削減できるのにと思います。

地方税の支払い方法

コストの意識も全く感じられない。地方税の一括納付が可能なのに、4枚に分割支払を強制している。税金の払い戻しも問題だった。たった、200円を返金するのに、100円ずつを2回振り込んで来たこともあります。

地方自治体は、①マイナンバー・カードを使わせたくないんだ、②税金を使い、地域の事業者に利益を落すことに注力しているんだと勘繰られてもしょうがない。

高コストの支払い方法

扶養家族申請(年金機構)

扶養家族の申請がインターネットから出来るようになり、便利となった。手続きも簡単だし、郵送費も不要です。しかし、現状は2重の申請が可能なようだ。今後、ソフトの改善を望む。

参考1)
マイナンバー・カードを巡るトラブル
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230608/k10014093531000.html