まとめ
◇ワクチンが一般に出回るまで出来るだけ感染を避ける。感染の確率を低減するために、3密を避け、ソーシャルディスタンスを確保、マスクを着用し、帰宅時や食事前には手洗いなどを行う
◇十分な睡眠を確保し、バランスの良い食事を摂りかつ適度な運動をして免疫力をアップする
◇万一の備えとして、消毒用エタノールとパルスオキシメーターを準備する
49日に及ぶ緊急事態宣言が本日(5月25日24時に)終わりましたが、新型コロナウイルス(COVID-19)との戦いはまだ継続します。一部の回復者は、数か月後に肺や心臓、肝臓の機能低下に苦しんでいるとの情報 文献1)もあります。新型コロナウイルスの全容が未だ見えていません。私は、収束が見えるのは、早くて、ワクチンが大量に供給されだす来年の第三四半期、また、終息が見えるのは2022年と想定して準備することにしました。それまで、新型コロナウイルスに感染しないのを目標にします。取り敢えず、我が家では、消毒用にエタノールを2本、また、肺炎で肺の機能が低下した時のチェック用にパルスオキシメーターを準備しました。
マスクの効果
高性能なN95マスクが一躍有名となりましたが、性能からみるとこれでもCOVID-19には完全とは思えません。N95マスク 文献2)は、米国労働安全研究所(NIOSH)の認定品で、0.3㎛以上粒子を95%捕集する性能となっています。飛沫の大きさは、3.0~5.0μmの範囲とのことなので除去可能です。しかし、ウイルスの大きさは100ナノメータ(0.1㎛)なので同マスクのフィルターではウイルス除去は完全にはできないことになります。
マスク着用の効果に関しては、香港大学のコロナウイルスの専門家の袁国勇教授グループのハムスターの実験では感染を60%以上削減する可能性があるとの結果 文献3)を得ています。同大学のwebのQ&A 文献4)には、①マスクを着用することで、感染者がウイルスを広めるリスクを減らせるおよび②サージカルマスクとN95マスクを二重に着用すると、呼吸器疾患[重度の急性呼吸器症候群(SARS)を含む]のリスクを40〜60%減らすことができるとあります。
医療関係者でない限りマスクを二重着用することはないと思いますが、通常のマスクの着用でも、他の人から新型コロナウイルスをうつされる確率を下げるのには役立つと考えられます。
消毒液
手を通して口や目に新型コロナウイルスを入れないために石鹸による手洗いが推奨されています。また、外出先から帰宅した場合も手洗いしてウイルスを自宅に持ち込まない様にすることも大事と考えられます。
新型コロナウイルス感染者の世話をする場合などでは消毒が必要となります。厚生労働省 文献5)によると、消毒は0.05%の次亜塩素酸ナトリウム(薄めた漂白剤)かアルコールが推奨されています。次亜塩素酸水も一般の消毒に使われますが、新型コロナウイルスに対して効果を高めるには強酸性にする必要 文献5)がありそうです。次亜塩素酸ナトリウムがコスト的にも一番安いと推定されますが、臭いや扱い方が難しいので、ここでは緊急用としてエタノール(お酒のアルコール成分)を取り扱います。
消毒用エタノールの濃度は、WHO 文献6):エタノール 80vol%あるいは静岡県薬剤師会 文献7):約76~81vol%とかなり高い値となっています。一般に、消毒用エタノールは約80vol%の濃度付近の殺菌力が最も強く、50 vol%以下になると、十分な消毒効果は期待できません。また、濃度が高すぎても消毒効果が低くくなります 文献8)。 アルコールの濃度を示すのに度数、vol%(容量パーセント)あるいはwt%(重量パーセント)と業界で違う単位を使っています。お酒は度数で示し、通常、これはvol%(容量パーセント)と同じだそうです。
東京消防庁の情報 文献9)では、アルコールの濃度が60%以上(重量%) の製品が危険物に該当するとのことです。消毒用のエタノール80vol%は73.52wt%に相当するので危険物になります。逆に、危険物にならないアルコールの最大vol%濃度は67vol%となります。酒造会社が消毒用に65度のエタノール製品を販売しているのはこの理由からと思われます。
ご安心下さい、北里大のレポート 文献10)によると濃度50%以上のエタノールに、接触時間1分間で十分な新型コロナウイルス不活性化が可能とあります。購入したウオッカの濃度は50度(50vol%)ですが、アルコールは蒸発するのでもう少し濃いのが良いのではないかと推定しています。
エタノールの除菌のメカニズムについての情報です。新型コロナウイルスの外表面はエンベロープという脂質からできた二重の膜で覆われています。その中には遺伝情報をもつRNAが存在しています 文献18)。エタノールはコロナウイルスのエンベロープを破壊することで死活、あるいは不活性化 文献19)させます。
新型コロナウイルス原因の死亡数
幾つかのメディアで「超過死亡者数」の話題が取り上げられています。これは、新型コロナウイルスが蔓延している月は通常の年より死亡者が多いことから、新型コロナウイルスが原因で死亡した人の数が上振れしていると推定しているからです。欧米では、実際の死亡者数は報告数の1.5倍ではないかとのニュースもみられます。
日本の死亡者のデータは2ヵ月遅れで報告されているので2月までのデータしか見れません。2020年1-2月の総死亡者は昨年度 文献11)より減っています。しかし、年間の死亡者は、総数で約139万人(2019年)、その内、新型コロナウイルスの一番特長的な症状の肺炎が原因で死亡した人の割合は6.9%(2018年)文献12)で、毎月の肺炎死者数は、2020年5月25日時点の新型コロナウイルスが原因の累計死者830人の10倍となっています。したがい、死亡した人で新型コロナウイルスと類似の症状があった人、全員をPCR検査して判定しないと本当のことは分からないのではないでしょうか。
パルスオキシメーター
新型コロナウイルスの重症化リスクの高い 文献13)のは、①高齢者、②糖尿病、心不全、呼吸器疾患などの基礎疾患のある人、③免疫抑制薬や抗がん剤などを使用している人と言われている。また、見方を変えると炎症が起こっている人は新型コロナウイルスに攻撃され易いとの報道もあります。
自衛隊の報告 文献15)では、ダイヤモンドプリンセス号の無症状陽性者であってもCT検査で約半数に肺に異常が認められた。また、新型コロナウイルスでは「サイレント(無症候性)低酸素症」という酸素欠乏を引き起こす問題 文献14)が指摘され、パルスオキシメーターが活用出来るとある。
パルスオキシメーターは肺の働きを確認するのに使われる。2種類の光(665nmと880nm)を利用して、血液中のヘモグロビンうち、酸素と結びついているヘモグロビンの割合をパーセント表示 文献16、17)する。これを血中酸素飽和度SpO2で表す。酸素飽和度の基準値は、94~97%の範囲とのこと。体温計と同様に一家に1台あっても良いのではと思い購入しました。
参考文献
文献1)
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf6325e73f43279f3044c5b68e519eb6940cc3c8
文献2)
https://www.env.go.jp/air/osen/pm/info/cic/attach/briefing_h26-mat08.pdf
文献3)
https://www.afpbb.com/articles/-/3283534
文献5)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00009.html
文献6)
https://www.obihiro.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2020/05/act2.pdf
文献6)
https://www.who.int/gpsc/5may/Guide_to_Local_Production.pdf?ua=1
文献7)
https://www.shizuyaku.or.jp/soudan/soudanshitsu/100406.html
文献12)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai18/dl/h6.pdf
文献14)
https://toyokeizai.net/articles/-/346423
文献15)
https://www.mod.go.jp/j/approach/exchange/area/euro/france/docs/20200417_j-fra_gaiyo-1jp.pdf
文献16)
https://www.iryou.info/page/48
文献17)
https://www.konicaminolta.jp/healthcare/knowledge/details/principle.html
文献18)
https://pro.saraya.com/kansen-yobo/bacteria-virus/2019-nCoV.html